天ぷらでお馴染みの白身魚、シロギス。実は手軽に釣る事が出来ます。しかも釣りたての新鮮なものは刺身など普段では食べられない食べ方も出来ます。
ただし群れが回遊していないとなかなか釣れない上に、フグに針やハリスを切られると釣りになりません。また根がかりで仕掛けを失うケースもあります。
そこで今回は簡単ではあるものの少しコツが必要な投げ釣りでのシロギスの狙い方についてご紹介していきます。
これを読めばたいていの釣り場でシロギスを釣り上げる事が出来るでしょう。
<目次>
1.投げ釣りで釣れる魚
投げ釣りではシロギスやカレイをはじめとする実に様々な魚が釣れます。場所によっては投げ釣りでマダイやカジカなどが釣れます。
しかし今回は釣れる機会が多いお魚をご紹介していきます。シロギス以外にも美味しい魚が釣れるので十分楽しめます。
・シロギス
「砂浜の女王」と称され白いボディが美しいシロギスは、日本随所の砂浜や防波堤から狙える人気ターゲットです。
砂浜からだと遠投出来る装備が必要となりますが、防波堤からであれば軽装備の「チョイ投げ釣り」でも楽しめます。
初夏から晩秋がシーズンで、ハイシーズンとなる夏では群れに当たると1度で2〜3匹の連掛けを楽しめます。
また、晩秋の水温が低下する際にエサを活発に食べる様になる「落ちギス」も狙い目です。
・カレイ
カレイは冬季のメインターゲットで、根強い人気があります。実は根魚なので、岩礁があるエリアの方が釣れやすいです。
釣り方のスタイルは、複数の竿を出しアタリがあるまで放置しておきます。掛かってくると竿がガタンと倒れ、強い引きを楽しませてくれます。
バラしやすいので、ハリを十分飲み込ませてから釣ると確実です。氷締めで持ち帰り、刺身や煮付け、ムニエルなどが絶品です。
・イシモチ
「イシモチ」とはシログチという魚とニベという魚の総称です。両者とも似た目はそっくりですが、シログチは大きくても40cm程度なのに対してニベは70cmにもなります。
イシモチも釣りの人気ターゲットなのですが、美味しく食べるには血抜きが必要です。鋭利なハサミで喉元を切り、その奥の心臓を切ります。
そして海水の入ったバケツに魚を入れて血をしっかり抜くことで生臭さが無くなり、釣り人の特権でもある刺身で食べる事も出来ます。
・ハゼ
ハゼと一言で言ってもマハゼやサビハゼ、キヌバリなど様々な模様のハゼが釣れます。
その中でもマハゼは天ぷらにすると絶品ですが、その他のハゼでも唐揚げにすれば美味しく頂けます。
置き竿にしていると掛かりやすい傾向にあるので、ハゼばかり釣れる様であれば頻繁に誘って仕掛けを動かす様にしましょう。
・メゴチ
「メゴチ」はネズミゴチやトビヌメリ、ヤリヌメリなどの魚の総称です。
ヌメリが強くエラブタの部分にトゲがあるので、魚を掴み、針から外す際には「メゴチバサミ」を使いましょう。
シロギス釣りの代表的な外道として嫌われていますが、天ぷらは絶品で大きいものは旅館のメニューで出される程です。
こちらも置き竿で掛かってくる事が多いのでメゴチが多い場合は竿を動かす様にしましょう。
・キュウセン
小骨が多く嫌う釣り人が多い一方、煮付けなどにすると柔らかい白身が絶品な為釣り人から人気を集めている魚種です。
砂地に生息していますがその中でも岩の周りに生息しているため、ある程度岩礁が多い場所で釣れます。やはり置き竿にしていると掛かる傾向があります。
・フグ
投げ釣りで良く釣れるフグは、体長10cmほどのクサフグやキタマクラ、アカメフグなどです。これらの魚は皮膚あるいは内臓に毒を持っているので、食べることは出来ません。
キャストした仕掛けが着水した時の音がフグを集めてしまうと言われています。また、置き竿にしていても仕掛けを動かしていても掛かってきてしまうのが厄介です。
群れで遊泳しているので、群れに当たってしまったら釣り場所を変えるなどしましょう。
2.シロギス釣りで必要な道具
堤防から狙う方法と砂浜から狙う方法がありますが、砂浜から狙うとなると大型スピニングリールや4m以上の遠投竿など本格的な装備が必要となります。更には遠距離飛ばす技術に慣れる必要があります。
それに比べると堤防から狙う「チョイ投げ釣り」であれば小型スピニングリールを使ったり2m程度のサビキ竿などでも代用してり出来る為お手軽に出来ます。
そのため、初心者には堤防からのチョイ投げがおすすめです。そこで、チョイ投げ釣りで必要なタックルを紹介していきます。
・竿
チョイ投げ釣りでは2〜3m程度の竿があれば十分です。そのため投げ専用のロッドでなくてもサビキ竿や磯竿でも十分です。
また仕掛けを思いっきりキャストする際ロッドがしなやかに曲がった方が良いので軟らかめのロッドがおすすめです。
ちなみにロッドは短い方が操作性は良く扱いやすいですが、長い方が飛距離が出やすいです。
そのため扱いに慣れてきたら徐々に長いロッドを扱う様にしましょう。
・リール、ライン
リールはスピニングリールを使うのがポピュラーです。遠投用の大きなリールは必要なく小型のリールで十分です。
リールにはナイロン2〜3号またはPEライン0.6〜0.8号を150〜200m程巻いておきましょう。
堤防からの投げ釣りでは根がかりして高切れしやすいので、少し多めに巻いてもらった方が長持ちしやすいです。
加えて1m毎に色が変えられているラインを購入すれば何m仕掛けを飛ばしたのか確認出来ます。
ちなみにナイロンよりもPEラインの方が強度が強い上に、潮の流れの影響を受けにくくなるので初心者にはおすすめです。
・メゴチバサミ
チョイ投げ釣りでは、トゲや毒を持った魚が釣れます。例えばメゴチやハオコゼ、ゴンズイやウミケムシなどです。
メゴチにはエラブタの部分に太い棘、ハオコゼは背びれに毒があるので、これらを素手で触るのは危険です。
ですのでメゴチバサミではさみながらペンチで針を外すのがおすすめです。
・仕掛け
大会用のシロギス仕掛けともなると5本針仕掛けで狙い、多点掛けを狙います。
しかしチョイ投げを楽しむ範囲であれば2〜3本針で狙う方が操作性が良いです。
市販の仕掛け(2〜3本針)とジェット天秤さえあれば簡単に楽しめるので是非挑戦してみてください。
・ジェット天秤
ジェット天秤は軽いものは3号から、重いものになると20号以上のものがあります。
10cm程度の魚(ハゼやメゴチ、ピンギスなど)が良く掛かる様でしたら、8号程度が魚の引き続きも楽しめておすすめです。
また魚の引きが分からない場合でも魚が掛かると重さが変わるので、放置させたことでエイやサメに食べられて仕掛けを切られる事も起こりません。
ただし、潮の流れが強くて仕掛けが流されやすい場合はより重たいオモリを使うのがおすすめです。
・ハリス、ハリ
いわゆる「仕掛け」は、1本のハリスから何本かのハリスが枝の様に分岐していて、ハリスにハリが結び付けられた状態で販売されています。
初心者は枝バリが3本ついたものがおすすめです。
確かに2本バリ仕掛けの方が操作性は良いのですが、根がかりなどで枝バリが切れて1本針になってしまうと魚が掛かりにくくなります。
それに対して3本針であれば複数の針が付いている時間をキープ出来るので釣りやすくなります。
3.シロギスの釣り方
シロギス釣りにおいてはとにかく仕掛けを動かす事が重要です。とはいえカケアガリでは仕掛けを止めて食わせの間を作る事が重要です。
そこで誘い方についてご紹介していきます。
また、シロギスの群れがいる場所では多点掛けも夢ではありませんが、群れがいない場所ではいくら誘っても釣れません。
今回はそんな場合の対処法をいくつかご紹介します。
・キャストの方法
スピニングリールのベイルを縦に立ち上げたら、ラインを人差し指に引っ掛けます。
続いてガイドが上を向くようにしてロッドを投げる方向と反対向きに倒します。
そうしたらロッドを投げたい方向へ大きく振りかぶりながら人差し指に引っ掛けていたラインを外すと上手く仕掛けが飛びます。
なれないうちは仕掛けを付けず、オモリだけ付けて投げる練習をしましょう。
上手く投げられないうちから仕掛けをつけてしまうと、斜めに飛んでいってしまったり真下に勢い良く落ちてしまったりして、
オマツリしたり仕掛けが絡まってしまったりして魚が釣れない原因にもなってしまいます。
また、ジェット天秤だけを投げる事でどこに根があるのかを把握出来るので(根がある場所はオモリが引っかかる)、
その箇所だけ仕掛けを早く巻いて根がかりを回避するといった対策にもなります。
・誘い方
基本的には竿をズルズルと巻いていきます。この時手で三角を描くのをイメージしながら1回転3秒くらいのスピードで仕掛けを巻くのがコツです。
止まっているエサよりも動いているエサに反応しやすいので仕掛けを動かすのが鉄則ですが、
特にカケアガリと呼ばれる上り坂の部分で仕掛けを止めて、食わせの間を作ってみましょう。
また、誘い方では巻くだけでなく竿を大きくシャクってシロギスにアピールする方法もあります。
シャクりの大きさやシャクってから次またシャクるまでの間隔によって同じ場所でも釣れる釣れないが変わってきます。
とにかくやり方を若干変えながら様々な誘い方で探ってみてください。
また、食いが渋い時には、アタリはあるもののエサをつまむ程度で針掛かりしない時もあります。
そういう場合は聞きアワセ(ゆっくり竿を上げる)をしてみてください。そうすると喰ってくる魚もいます。
・移動する事の重要性
シロギスの群れがいない場合はいくら仕掛けを投入しても釣れないので釣り場を移動するのが効果的です。
確かに待っていればいずれ群れがやってきて釣れる場合もありますが、移動しながら常に群れを狙えた方が効率が良いです。
また、フグの群れに当たってしまった時もその場から離れた方が良いです。なぜならフグを避ける方法は別の場所に移動するしかないからです。
4.おすすめのタックル
・ささめ針 K-127 キス競技用2本 6-0.8号
ハリが6号と投げ釣り用のハリとしては小さめで、シロギスなどの魚の食いが渋いときでも食いついてくれるのでおすすめです。
・ささめ針 ちょい投げ3本鈎
針が6号〜と大きくなり、カレイやアイナメなどの大型魚の活性が高いときに活躍します。
・富士工業 ミニジェット天秤 8号 2JO-S【re1604g12】
ジェット天秤の中では比較的軽いので、魚のアタリを取りやすく引きも楽しむことができます。
・投竿 CC SURF T 20-360 投釣 投げ釣り 20号
全長が3.6メートルあり、飛距離を出したいときに使ってみてください。
・PEライン 4編/4本撚り 300m マルチカラー 4号
PEラインは伸縮性が低く魚の引きの感度も高い上に、強度がナイロンの2倍以上もあり岩礁のスレにも強いので安心して釣りを楽しむことができます。
・プロマリン EC6000 イージーキャスト 5号200m付き (hd-356273)
ラインを200メートル巻けるので、根がかりなどで道糸ごと失ってもすぐに道糸が無くなりません。小型で扱いやすいため、初心者にもおすすめです。
5.まとめ
如何だったでしょうか。仕掛けをキャストするには少しコツがいりますが、基本的には軽装備で出来て、しかも遠投する必要も無いので初心者向けとなっています。
投げ釣り最大の魅力は、イワシやアジ等の回遊が無いなどで足元の魚が釣れない時に、広範囲で探れるので釣れるチャンスが上がる事です。
投げ釣りでは実に様々な魚が釣れるのも楽しいです。それではチョイ投げ釣りに挑戦してみてください。