近年釣りがライト化しています。
例えば以前は100gのジグを使っていたジギングも、ライトジギングやSLJなどなど。
その中でも簡単に釣れて、しかも魚の引きも楽しい釣りがメバリングです。
根魚であり最大30cmを超えるメバルは、比較的簡単に釣れる魚として知られており、メバリングはそのメバルを釣るための釣りとして現在も開発が進んでいます。
しかし、もちろんメバルもただでは釣れてくれません。
この記事では、メバルの習性やメバルを釣るための最低限の道具を紹介します。
<目次>
1.メバルが釣れる時期・時間
メバルが釣れる時期は、冬~春にかけてです。
時間帯は、夕方の薄暗くなる時間帯から朝日が昇るまで。つまり夕マヅメから朝マヅメにかけてです。
12月ごろになると、メバルは産卵前の段階に入り積極的にエサを追うようになります。
さらに、日中はテトラポッドや障害物などの近くに身を寄せてじっとしていますが、夜になると活発に活動します。
このことから、メバルが最もよく釣れる時期は、冬場から春の産卵前後の時期が最もメバルが釣りやすい時期です。
もちろん釣れにくいですが、夏も釣れますし、秋が深まるにつれてメバルは釣りやすくなります。
また、昼も釣れないことはありません。ただし、釣り方が違うため、それぞれデイメバリング・ナイトメバリングに分類されることが多いです。
2.メバルが釣れるポイント
メバルが釣れるポイントは、大きく3つあります。
・岩場(※釣り場のルールに従いましょう)
・海藻
・常夜灯と影の明暗部
時間帯によって、メバルが釣れるポイントは変わります。
とくにメバリングで釣行に向いている夜の場合は、常夜灯周辺が良いです。常夜灯の光と影の明暗部の、影部にメバルは隠れています。
そこで明るい場所を通っているエサを「バクッ」と食べるわけですね。
一方日中は、テトラポッドの中や岩場、海藻などの身を寄せられる場所についています。
小さなサイズのメバルは、岸際についていることもあります。要するに日中は、障害物の近くがメバルの釣れるポイントです。
3.初心者におすすめするメバリングタックル
メバリングタックルを揃えようにも、ロッドやリールはピンキリですし、ルアーも種類がありすぎて紹介されているものを揃えようと思うと、予算の枠には入りきりません。
そのような釣り初心者のために「最低限これがあれば大丈夫」という、メバリングタックルをご紹介します。
3-1.ロッド
メバリングロッドとしては、適合ルアーは0.4~4gを難なく扱える、5000円前後の価格帯のロッドが、入門編としては使いやすいロッドです。
・メジャークラフトファーストキャスト
値段の割に、しなりやパワーもよく、0.5gのジグヘッドから5gのメタルジグまで問題なくキャストでき、ライトゲームをオールマイティに楽しめます。
メバリングをやっていると、当然アジングにも興味がわきます。この一本でどちらも対応可能です。
・ダイワ万能ルアーニスト
メバリングロッドのなかでも、比較的ショートロッドです。
短いロッドは飛距離こそ出にくいですが、使い回しがよく、初心者でも扱いやすい長さです。
・GLORYFISHメバリングロッドLIGHTLANCERBIGEYE
最も短い73MLは、自重が100gを切っており、非常に軽いです。
軽さは操作性や感度にもつながり、アタリをつかみにくい初心者にとっておすすめです。
・シマノスピニングロッドルアーマチック
魚の引きが手元に伝わりやすく、ファイトを存分に楽しめます。
アタリは拾いやすく、さらに合わせもしやすいため、価格から見ても初心者が手を出しやすいロッドです。
当然価格によるスペックの差はありますが、筆者の感覚では5000円前後の手の出しやすい価格帯であれば、メジャークラフトのロッドが一歩先を行っていると思います。
ついでに、ロッド選択の際に「チューブラー」と「ソリッド」という種類で選択に迷うかもしれません。
それぞれメリット・デメリットはありますが、初心者に使いやすいのはアタリが感じとりやすい「チューブラー」のロッドです。
3-2.リール・ライン
一般的にメバリングロッドには、1000番~2000番台でPEラインまたはエステルラインの0.3号前後のラインを巻けるリール良いとされています。
・シマノサハラ
細かいドラグ設定やリーリングの感触が気持ちよく、それまでの安物リールと比べてリールの重要性が良く分かります。
・アブガルシアスーペリア
リールそのものの耐久性や剛性が強く、長く使用し続けることができます。
初心者にとって、そこそこ値段のする道具は長く使いたいものですよね。
・ダイワリーガル
初心者にとって厄介なことは、ライントラブルです。そのライントラブルが起きにくく、無駄な時間を発生させないためリールになります。
リールに関しては、2000~3000円の非常に安いものでも十分メバルを釣ることができますが、あまりにも安価なものはドラグが効かない場合も多いです。
大型のメバルは引きもパワフルで、ドラグを細かく調整できるリールの方が身切れの心配がありません。
また、メバルがヒットしたときにドラグが出る「ジーーッ」という音は気持ちの良いものです。
ラインについては、細ければ細いほどメリットは多いですが、耐久性においては太い方が良いですが、初心者は少し太い方がライントラブルは少ないのでおすすめです。
3-3.ルアー
メバリング用のルアーというと、ハードルアーやソフトルアー(ワーム)の類がありますが、ここではハードルアーを紹介します。
・ミノー
さまざまなシチュエーションに合わせて、ただ巻き、ストップ&ゴー、トゥイッチなどができる万能ルアーがミノーです。
とりあえず迷ったら「ミノー」。一本持っておくと、大抵の魚種に対応できます。
・バイブレーション
究極に釣り人に楽をさせつつ、釣果を出させるのがバイブレーションです。
ただ巻く。それだけです。レンジキープはリーリングスピードで調整しましょう。
・プラグ
竿先でちょんちょん引っ張りながら、ルアーを「動かしている。そして釣る」が実感できるルアーです。
表層を泳ぐため、視覚的にも楽しいメバリングができます。
・シンキングペンシル
表層を狙うルアーでも、ちょっと水面下を攻めたいときに使うのがシンキングペンシル。
でかい魚は、シンキングペンシルで当たることが多い気がします。
夜のナイトメバリングの場合は、表層を攻められるミノーやプラグ、シンキングペンシルが有利です。
デイメバリングでは、深い層を探れるバイブレーションに分があります。どのルアーも、最悪ただ巻きでもメバルを釣ることは可能です。
しかし、ハードルアーの面白さは、ロッド操作によって細かい演出ができること。
「メバルを食べるのではなく、釣りを楽しみたい」という方は、ハードルアーで細かいテクニックを覚えると良いでしょう。
3-4.ソフトルアー(ワーム)
ソフトルアー(ワーム)は、メバリング初心者であれば、手軽に釣果を得られるおすすめのルアーです。
・月下美人ビームフィッシュ
お尻がプルプル震えるシャッド系ワームの代表格。
月下美人はダイワから出ている、まさにメバリング・アジングのためのワームです。
・ジャッカルアミアミ
ただ巻きも良し、ポーンポーンと左右に動かすダートも良し、さまざまなアクションに対応します。
ジャッカルのワームはフグにちぎられやすいですが、吸い込みの良さがあり、アタリを確実にとらえます。
・メジャークラフトパラワームフォールイカ
バチ抜けの時期に一人勝できるワームです。
ストレートワームやシャッドが効かないときに、変わり種の一つとしても有効です。
・バークレイガルプ!SWベビーサーディン
3-6.ジグヘッド
ワームでメバルを狙う場合、ほとんどがジグヘッドとのセットです。
ジグヘッドは狙う層によって重さを変える必要がありますが、0.6g・0.8g・1gを持っていれば、大抵の状況に対応できます。
風や潮の速さ、波高によって思い通りの操作ができているかを基準にして使い分けましょう。
またジグの重り部分はさまざまな形がありますが、三角の形のジグヘッドを使えば、ただ巻き・ちょんちょん跳ねさせる両方のアクションに応用できます。
4.ナイトメバルの釣り方
メバルはデイとナイトで大きく釣り方が変わります。
まずはメバリングのメインの時間帯である、夜の釣り方を見てみましょう。
4-1.ナイトメバリングのレンジ(層)
メバルは夜になると積極的にエサを追いかけるようになります。
とくに夜は表層を泳ぐエサに注目しているため、常夜灯の光に集まる小魚を捕食しようと上のレンジまで集まるわけです。
そのためナイトメバリングでは、主に表層を探ると釣果が出やすいです。
ただし、大物は影に潜んでいることが多いので、水面に見える明暗部だけでなく、水中の明暗を探るために少し沈ませる手もあります。
4-2.ナイトメバルおすすめのルアー
ナイトメバリングの釣りでは表層が狙い目なので、その層を引けるルアーやワームがおすすめです。
ハードルアーでは、とくにフローティング系のルアーであるポッパーやペンシル系がおすすめで、メバルの捕食シーンが見えるエキサイティングな釣りが楽しめます。
ソフトルアー(ワーム)では、2インチ前後のストレートか尻尾がプルプル動くシャッド系ワームが、ただ巻きでも十分アピールするためおすすめです。
派手めなカラーのルアーが、視界の悪い夜でもメバルに強くアピールをします。
4-3.おすすめのアクション
ナイトメバリングは表層ただ巻きが有効です。メバリング初心者でも簡単にアクションできます。
ただし、一言にただ巻きと言っても、リールを巻くスピードで大きく釣果にも影響が出ます。
おすすめのリーリングスピードは、1秒でリール半巻き程度の「デッドスロー」と呼ばれるアクションが効果的です。
夜は見切られにくいので、デッドスローでもメバルは喰いつくのでしょう。
ただ巻きをしている最中に、ピタッとリールを巻く動作を止める「ストップ&ゴー」というアクションもあります。
これらはただ巻きからの延長線上にあるアクションで、初心者でも簡単にできる技術です。
5.デイメバルの釣り方
デイメバルはナイトメバルより難しいと言われますが、釣り方のコツをつかめば釣れます。
そもそもファミリーがいたり、安全面から考えると、夜に出かけることは難しいですよね。
「メバルは夜」に諦めることはありません。
5-1.デイメバリングのレンジ(層)
デイメバリングのレンジは、中層から底にかけてです。
基本的に日中のメバルは、障害物の近くにピタッと集団で身を寄せ合っていることが多いです。
テトラポッドの中、穴釣りのような形でスルスルーと仕掛けを落とすと、メバルはアタックしてきます。
そもそもメバルは、上から落ちてくるものに対してよく反応するため、その習性をいかして、仕掛けを落としているときにアタリがあると思ってください。
5-2.デイメバルおすすめのルアー
日中は基本的に素早いアクションやトリッキーなアクションでないと、ハードルアーは見切られやすいです。
そのため、釣り初心者がデイメバルでハードルアーを使うことはおすすめできません。
素直にワーム一択です。狙うレンジが深いので、1g前後を基準としたジグヘッドを使うのが良いでしょう。
カラーは海が濁っているなら明るめ、クリアならナチュラル系が良いです。
ストレートワームは少しテクニックが必要なので、そのままでも尻尾がアピールするシャッド系やカーリーテールがおすすめです。
5-3.おすすめのアクション
デイメバルで簡単に釣れるのは、岸壁や堤防の角についているメバルです。このメバルの釣り方はこちら。
① 真っ直ぐポイントに向かって仕掛けを落とす
② ちょんちょん
③ ス――(落とす)
④ ちょんちょん
⑤ ス――(少しずつレンジを落とす)
落とす=フォールをさせているときに、仕掛けが落ちるのと同じ速度でロッド先端も下げるようにしてください。
小さなメバルだと反応も早く、仕掛けをじっと見つめている様子を上から眺められます。
その反応を見ながら、アクションのどの段階に反応が良くなるかを見て、その日のパターンを探ることも一つの手です。
6.メバリングは外道にも魅力が
釣りをやっていると「君はお呼びではないよ」と言ってしまうことが多々あります。メバリングの外道がこちら。
・アジ
・カサゴ
・ベラ
・チヌ
・フグ
アジやカサゴ、チヌは、その魚の釣り方が確立するほど、ターゲットとして好まれる魚です。
メバリングに来たはずなのに、なぜかアジが良く釣れるなんてこともざらにあります。
デイメバリングではフグの猛攻にあい、ワームが一投でズタボロになることも...
そのようなときは、釣りのポイントを変えましょう。フグの攻撃性は1時間でワーム一袋を喰いきることも可能です。
7.まとめ
メバルは釣り初心者でも、比較的簡単に釣れて、しかも食べてもおいしい魚です。
冬から春の夜が一番の狙いどきですが、それ以外の季節・時間帯でも釣り方のコツをおさえれば簡単に釣れます。
ロッドやリールは、それぞれ5000円ずつ出せばかなり質の良いタックルが揃えられるため、釣りそのものが初めての方でもおすすめです。
刺身、煮付けがとくにおいしく感じられます。
爆釣する日には、ほぼ毎投ことも可能ですので、メバリングに出かけておいしいお土産をたくさん持って帰りましょう。
<筆者プロフィール>
釣り歴は5年以上で、とくにエギングを中心に、ジギング、メバリング・アジングのルアー系ゲームをやっています。
活動している場所は、基本的に福岡県で、山陰まで遠征することもあります。
【経験のある釣りジャンルと経験年数】
エギング(5年)、アジング・メバリング(5年)、ショアジギング(1年)、フカセ(1年)
大体エギングを中心にやっているため、下記のどこの港でもエギングをやっています。
また、エギングを行う港では、大体冬場にアジング・メバリングをやっています。ショアジギはこの1年で秋にやるようになりました。フカセも同様です。
【経験の多い釣り場・地域】
福岡県の海(志賀島漁港、志賀島東漁港、弘漁港、博多ふ頭、奈多漁港、波津漁港、神湊、津屋崎漁港、福間海浜公園、ここまでが福岡市~宗像市。日明海釣り公園、高浜港、新門司マリーナここは北九州。)
【所有タックル】
ロッド:セフィアBB
リール:サハラ
ルアーについては、こだわったものを使っていますし、上記で紹介しているルアーメーカーのルアーに関する情報に精通しています。