「冬の堤防は釣果に恵まれない」と思っている方にこそおすすめしたい、冬の堤防で釣れる魚種があります。
魚種や時間帯によっては、一投につき一匹の釣果も不可能ではありません。
これさえ狙えば、満足のいく釣果にたどりつけるでしょう。しかし、冬は寒さという特殊環境もあります。
寒さに負けず、長い時間を快適に過ごすための服装や道具は必須です。
<目次>
1.釣り初心者におすすめしたい!冬の堤防で釣れる魚
海水温が下がる冬の堤防の海面を見ると、生命反応が全くありません。一匹も生物らしいものを見かけないですよね。
暖かい時期はたくさんいたはずの魚たち。あれはすべて沖の深場に出払ったのでしょうか。もう回遊はしてこないのでしょうか。
いや、そんなことはありません。冬だからこそどこかに「隠れている」し、エサを食べるためにどこかの時間帯や場所に「回遊」してきます。
時間帯によっては「隠れている」魚たちが、堤防のあの場所に集まって入れ食い状態にもなります。
1-1.【メバル】冬の堤防はパラダイス
メバルは冬の堤防で一度は狙いたい魚!ハマれば日に50匹以上は釣れる魚です。
とくに夜の常夜灯周りがよく釣れます。その他にも朝・夕マヅメも良く、日が出ると釣れにくくなります。
【時間帯】夕マヅメ~朝マヅメの日が沈んでいる時間帯
【ポイント】常夜灯の明暗部、テトラ・岩場、堤防際(足元)
【仕掛け】1~2インチのワーム
もちろんデイメバルという釣りが確立しているように、日が出ているから釣れないというわけでもありません。
釣り初心者におすすめするのが夜の常夜灯です。1~2インチのワームと0.5~0.8g程度のジグヘッドがあれば何とかなります。
ワームは臭いが気にならないのであれば、ガルプベビーサーディン1.5インチがおすすめです。
キャストのポイントは、常夜灯の灯りと堤防の影の際。暗いところから、メバルは明るい水面を見ています。
表層をデッドスロー(リールを3秒で1回転くらい)で巻く釣り方が、最も簡単なメバルの釣り方です。
常夜灯の近くにテトラ帯があれば、より釣れる確率は高くなり、時合になれば1投1匹も可能でしょう。
1-2.【アジ】冬場がアツいアジング
メバリングと同時に語られるアジングも、冬の堤防の釣りで特筆すべき釣りです。
【時間帯】夕マヅメ~朝マヅメの夜間、夕マヅメの数十分
【ポイント】常夜灯周り、堤防と外海の入り口
【仕掛け】1~2インチのワーム
アジは一年中堤防まで回遊する魚種で、冬はとくに夕マヅメから夜、そして朝マヅメの時間にかけて活発に回遊します。
個人的な感想としては、夕マヅメのほんの数十分にバタバタッと釣れることも多いです。
冬のアジングは、尺アジと呼ばれる30センチ以上のサイズが堤防から釣れる可能性もあり、しかも脂が乗っているため美味です。
さすが「味が良いからアジ」と言われるだけありますね。
アジングはメバリングと同じような仕掛けを使い、釣り方も大きくは違いません。
シェイクなどの技術はありますが、初心者はチョンチョンチョンと3回ロッドを上に引いて、5秒じっとして(フォール)アタリを待つだけです。
もちろんただ巻きで釣れることもあります。
1-3.【カサゴ】最も簡単な釣り「穴釣り」
釣りの小難しいロッドアクション、とりあえず何か釣果を手にしたい、と感じる方には、冬でも釣れる根魚の代表魚「カサゴ」がおすすめです。
【時間帯】いつでも
【ポイント】テトラ帯、岩場の穴
【仕掛け】ブラクリ、ワーム
カサゴは年中釣ることができますが、とくに釣れる魚種が少なくなる冬場のターゲットとして人気です。
ブラクリという重りと針が一体となった仕掛けに、エサ(青虫、エビなど)を刺して、テトラや岩場の穴に入れるだけの簡単釣法が「穴釣り」。
カサゴがそこにいれば喰いつくので、釣果に簡単にたどり着けます。
難しいことは考えなくて良いので、釣り初心者や女性、子どもにも人気です。
普段は海底に潜んでいますが、冬場の夜は常夜灯の灯りが照らされる壁際やテトラ帯の中層ぐらいまで浮いてくるので、メバリングやアジングをやっていると釣れます。
1-4.【ヤリイカ】とにかく美味しい
冬の堤防から釣れる魚種でとても美味しいのがヤリイカです。
【時間帯】夜
【ポイント】潮目・ヨレなど潮まわりが良い場所
【仕掛け】エギ(エサをつけられる)、エギ(通常)、スッテをつけたウキ仕掛け
ヤリイカは冬の夜に、堤防へ接岸・回遊するため、夜の堤防からエギングで釣ることも可能です。
堤防からエギングをする場合、通常のエギを使いますが、現在エサを乗せる「邪道エギング」というジャンルも絶賛成長中です。
エサとルアーの良さを持ち合わせた邪道エギングは、アオリイカのエギングをする人にとっても始めやすい釣りです。
もちろんスッテにエサをつけてウキ仕掛けにして、アタリを待つ釣りもあります。
ヤリイカの魅力は、とにかくおいしいということ。
刺身、煮つけ、から揚げ...イカは魚に比べて処理も簡単で、お酒にも良く合います。
「この冬ちょっと釣りをレベルアップしたい」「おいしい魚を家族に食べさせたい」と思う方には、ヤリイカがおすすめです。
1-5.【ヒイカ】冬の人気ターゲット
ヒイカ(ジンドウイカ)という、5~8cm程度、大きくても10cm程度にしかならないイカが、冬数十匹爆釣します。
【時間帯】夜
【ポイント】常夜灯周り
【仕掛け】エギ(ヒイカ用)
エギングの人気上昇とともに、ヒイカ専用の小さなエギも販売されるようになりました。
基本的に昼は海底にべったり張り付いて身を隠していますが、夜はエサを確保するために常夜灯周りに集まりながら回遊しています。
群れにあたると、一晩に数十匹釣ることも可能です。
しかも釣りというと、どうしても潮回りがよい外海が釣れそう、とイメージしてしまいがちですが、ヒイカは湾奥の比較的穏やかな堤防でも釣れます。
エギングとは言いつつ、アジングやメバリング用のロッドの方が使い回しが良いので、これらの釣りのルアーとしてヒイカ用のエギを入れておくのも戦術の一つですね。
2.冬は寒さ対策が必須!釣りやすく温かい服装にしよう
「今日は風もなくて穏やかだから釣りに行くか~」と思って堤防に行くと、風が冷たく、波が立っているということは冬の釣りあるあるです。
ご紹介してきたように、冬の堤防での釣りで釣れる時間帯は夜が多く、一日の中でも最も寒い時間帯の釣行が一般的。
温かさを重視しすぎると動きにくいし、動きやすさを重視しすぎると温かさがおざなりになるでしょう。若い人はオシャレさも必要、という方もいるはずです。
では、改めて冬の堤防釣りに必要なこととは何なのでしょう。
・防寒
・動きやすさ
・多少濡れても平気
・安い
・オシャレ
このあたりの機能は欲しいところですよね。これを叶える服が、どうやら実在するようです...
2-1.機能・値段・オシャレを両立するメーカー「ワークマン」「ワークマンプラス」
結論から言うと、「ワークマン」や「ワークマンプラス」の服装が、冬の堤防釣りに適しています。
ワークマンは、従来の作業用の服を販売し、ワークマンプラスはどちらかとオシャレさを重視する服を販売しています(その他ブランドあり)。
もちろん各種釣り具メーカーから販売されている冬用の服は、釣りのための機能が充実しているでしょう。
しかし、それにも負けない機能性をワークマンは持っています。
ついでに、ワークマンプラスの公式サイト(2022年1月現在)には、以下のような視点で服をつくっていることが書かれています。
風に負けない。
動きを追及。
雨に強い。
それぞれの機能に特化した種類の服があるそうで、まあ何とも冬の釣りで活躍しそうな言葉が並んでいます。
金額は、防寒着として売り出されているジャンパーで、高くても4900円。平均は3000円前後です。
ついでに釣り具メーカーのものだと、高いものは1万円を超えるものもあり、もちろん3000円台はなかなか見つかりません。
肝心の機能性は、元作業着用メーカーというだけあって、冬の冷たい風を全く通さず温かいです。
「釣り具ブランドじゃなくても良いから、冬の釣りの服装はどれがいい?」と聞かれたら、ワークマンを薦めます。
2-2.防寒レインジャケットPERFECT(パーフェクト)
ジャケットはワークマンの「防寒レインジャケットPERFECT」をおすすめします。
2-3.グローブは釣り用が良し
作業用のグローブにはないものがあります。それが、指先だけが出ている形のグローブです。
冬の堤防でメバリングやアジングをするとき、キャストをする必要があります。
キャスト時にラインを引っ張っている人差し指は、直にラインに触れていないと、ラインを離すタイミングが分かりません。
またラインを結ぶときも、グローブがあると作業がしにくいです。
だからといって、寒いわけではありません。釣り用として出されているグローブは、大抵この形。
グローブは釣り用のものに軍配が上がります。
2-4.冬の堤防にランニングシューズは気をつけろ
アウトドアが好きな方は、動くのが好きな方が多いです。だから、堤防に釣りに行こうとすると、ランニングシューズを選ぶこともあると思います。
筆者もそうでしたが、ランニングシューズはスポーツ用だから通気性抜群で寒いです。冷たい風が際立って感じられます。
釣り場で感じるのは、意外と冷えるのは足元からということ。
温かい服装をするほど、寒いところがはっきりしてアタリに集中できません。
シューズはなるべくアウトドア用の靴(グリップ重視)や、それこそワークマンの防寒シューズ(1,280円)が良いでしょう。
2-5.ニットの帽子は必須だがサングラス・眼鏡は注意
ニットの帽子は、冬の釣りを温かく過ごすために必要です。
しかし、普段から眼鏡をかけている方、またデイの釣りでサングラスをする場合は、眼鏡とニットの間のすき間に風が入り込みます。
シューズ同様に、部分的に寒いとどうしても全体的に温かさを感じることができません。
普段眼鏡の方はコンタクトにするのが良いでしょう。
3.冬の堤防に持っていくと便利な道具
冬の堤防では、寒さ対策として服装以外にも道具も準備したいところ。
ちょうど冬の釣りものに合わせた最高の道具があります。
筆者はこの道具を持って行っているおかげで、心と身体がとても温まっています。
3-1.袋ラーメンセット
全国の堤防には、夜にラーメンの屋台が回る場所があります。
それを鍋・コンロ・ガスボンベ・インスタントの袋ラーメンで、簡単ながら再現できるのです。
空腹時はご飯がいつも以上に美味しく感じられるように、冬の寒さの中では温かいものがいつも以上に温かく感じます。
冬の堤防で袋ラーメンを作ると、美味しさと温かさが両方感じられ、まさに天国にのぼる気持ち...
また、ラーメン以外にも堤防で釣れたカサゴを出汁にして、味噌汁を作っても最高です。
水を沸騰させて、コーヒーやココアを作るのも良し。
エサを投入して待ちの釣りをしている間に、休憩がてらの幸せな時間が過ごせたら、仮に釣れなくても「まぁいっか」と思えます。
3-2.足裏カイロ
冬に釣りに行くくらいですから、もちろん服装は温かいものを着ます。
靴もなるべく温かいものを...と言っても、冷えるのはやはり末端からです。
通常のカイロを持っていくと思いますが、足裏カイロも貼っておくことをおすすめします。
この時も注意ですが、通気性の良いシューズは厳禁です。
カイロの化学反応発生の熱に、風の冷たさが勝り、温まることがありません。
4.まとめ
釣果も気候も厳しくなる冬の堤防。
とはいっても、「釣れる魚」を「釣れる釣り方」で、「釣れる時間帯・ポイント」を外さなければ釣果にはたどり着きます。
しかし釣果にたどり着く前に、寒さにやられて心が折れてしまっては元も子もありません。
回遊待ちの釣りをする場合は、とくに根気がいる場合もあります。
だからこそ、温かく過ごす服装や道具を持って行って、快適な冬の堤防を楽しみましょう。