多くのアングラーから人気が高いターゲットのシロギス。小型の魚ではありますが、小気味よく引き釣り味を堪能できます。
また食べても美味しい魚と知られているシロギスは天ぷらだけでなく、釣りたてであれば刺身にしても最高に美味しい2度楽しめる魚です。釣り物としては敷居が低く、入門しやすい魅力もあります。
そこで今回はシロギス釣りについて詳しく解説します。道具や釣り方、時間帯についても説明するので、これから始めたい人はぜひご参考にしてください。
1.キス釣りとは
キス釣りとはシロギスを狙う釣りのことを言います。
シロギスは砂地のエリアを好み、主にゴカイ類を捕食している魚です。最大で30センチまで成長し、30センチを超えるシロギスを尺ギスと呼び、多くのアングラーが狙っている夢のサイズになります。平均的には15センチから20センチまでがよく釣れるサイズとなりますが、サイズの割に鋭く引き釣り味も抜群です。
キス釣りにおいては様々なフィールドで楽しめ、比較的足場のいいポイントで安全に釣りを楽しめます。そのため、これから釣りを始める人であっても入門しやすく、また釣果も出しやすいターゲットとも言えます。
基本的にはゴカイ類の餌を使用してシロギスを狙いますが、餌が苦手な人は餌に似せたルアーのような商品も使用できるのでチェックしてみてください。
2.キスが狙える時期と時間帯
シロギスが狙いやすい時期は一般的に5月〜10月と言われています。
シーズン初期となる5月〜8月はシロギスが産卵前の抱卵魚体が浅場に入ってきます。その時期は餌を活発に捕食するため、数釣りもしやすいです。そのため、キス釣り入門にも最適で初心者でも釣果につながりやすい時期と言えます。9月〜10月は浅場からキスが少しずつ深場へと移動を始めます。
安定した数釣りは難しくなりますが、大型のキスが釣りやすくなります。シロギスが釣りやすい時間帯としては日中が挙げられますが、夜であっても釣果を出せます。
夜にシロギスを狙うと大型が狙えるので、大型に絞って狙いたい人は夜を中心に釣りをしてみましょう。
3.キス釣りができるフィールド
キス釣りを楽しめるフィールドには船と陸っぱりがあります。それぞれ必要な道具や釣り方が異なってきます。フィールドにあった釣り方を覚えると、さらなる数釣りができるようになります。
船釣りは乗合船でのキス釣りが人気が高く、キス釣りを船から入門する人も多いです。船であればポイントを探す必要がなく、気軽にキス釣りを楽しめます。
陸っぱりのキス釣りは堤防や海岸からちょい投げや遠投して狙う方法が一般的です。そのため、船と陸っぱりでは違うタックルを揃える必要があります。具体的に船と陸っぱりではどのようなタックルが使用しやすいか説明します。
4.キス釣りに必要なタックル
船からキス釣りをする場合
船からキス釣りをする場合は180センチ前後のキス釣り専用竿が使用しやすいです。長い釣り竿を使用すると船の上で取り回しが悪く、扱いにくくなります。長くても210センチまでの釣り竿を船では使用するようにしましょう。リールには2000〜2500番のリールを使用します。ギア比は素早く仕掛けを回収できるハイギアかエクストラハイギアがおすすめです。素早く仕掛けが回収できると手返しがよくなり、数釣りができるようになります。また道糸にはPEライン1号を使用します。仕掛けは天秤を用いた2本針の仕掛けが一般的です。道糸の太さやオモリの重さは船宿によって変わるので、事前にチェックしておきましょう。
陸っぱりからキス釣りをする場合
堤防でちょい投げ釣りをする場合は240センチ〜300センチある投げ釣り用の竿が使用しやすいです。オモリは水深に合わせて10号〜15号を使用する場面が多いので、10号〜15号に耐えられる竿を選ぶ必要があります。リールは3000番台のスピニングリールが扱いやすいサイズとなります。船釣り用同様ギア比は素早く仕掛けを巻き取れるハイギアかエクストラハイギアがおすすめです。特に遠投する場面ではギア比が高いと釣りがスムーズにできます。道糸にはPEライン1号がおすすめで、ナイロンラインよりも感度と遠投性能が格段に高く、釣果が出やすくなります。仕掛けには2本以上ハリがついた天秤仕掛けを使用します。
5.キス釣りに使用するタックル 〜船編〜
竿
ダイワ キス X M-180
ダイワから販売されているキス Xシリーズは船からキスを狙う入門者に最適なコスパ最強のキス釣り専用竿です。誘いやすい調子に仕上がっているので、積極的にシロギスに餌をアピールして狙う釣りに使用できます。操作性が高くても穂先はしなやかにできているため、シロギスが違和感を持ちにくく、自動的に針がかりしやすです。活性が低いシロギスでもしっかりと食い込み、数釣りにつなげやすくなっています。
プロマリン 極仙 船キス 180L
極仙 船キスは3000円台で購入できる低価格が魅力のキス釣り専用竿です。特に低価格な竿でキス釣りの魅力を知りたい人におすすめします。180センチで船上でも取り回しよく使用できます。竿の扱いに慣れたらアンダーキャストで少し仕掛けを投げて広範囲を探る釣り方も試してみましょう。繊細なアタリを取れ、かつしなやかな穂先なので、ピンギスのような小型のキスであってもアタリを捉えて針がかりできます。
リール
シマノ セドナ 2500HG
セドナ 2500HGは2500番台でPEライン1号を100m以上巻けるサイズのスピニングリールです。ギア比がハイギアで素早く仕掛けを巻き取れる性能も備わっています。価格はそこまで高くありませんが、シマノが販売しているので安心して使用できます。上位機種に搭載されている技術も数多く使用されているため、入門者だけでなく釣りに慣れた人でも満足できる仕上がりです。自重はそこまで重くなく軽快に使用できます。
ダイワ 20クレスト LT2500S-XH
20クレスト LT2500S-XHは5000円台で購入できるコスパに優れたおすすめのスピニングリールです。入門リールとしても最適で1台購入しておくとキス釣り以外にも様々な釣りに流用できる魅力もあります。ハンドル1回転で最大87センチ巻き取れるハイギアでありながら、巻き心地はそこまで重たくない仕上がりです。重量も235gと昔の入門リールよりも遥かに軽量にできていて、細かな誘いがしやすくなっています。
6.キス釣りに使用するタックル 〜陸っぱり編〜
竿
ダイワ リバティクラブ ショートスイング 15-270・N
リバティクラブ ショートスイングは堤防釣り入門者に向けて作られたコスパ最強の投げ竿です。数多くラインナップされている中で15-270は10〜20号のオモリに対応した270センチの竿となり、堤防から仕掛けを遠投してシロギスを狙う釣りには最適なスペックと言えます。振り出し竿で携帯性に優れているので、電車で釣り場へ向かう時でも持ち運びやすい魅力があります。またサビキ釣りにも流用できるので、堤防釣りで幅広く使用できます。
シマノ アドバンスショート 3-300
シマノが販売するアドバンスショート 3-300は300センチの長さで、10号〜20号までのオモリを扱える釣り竿です。堤防からのキス釣りはもちろん、サーフからそこまで遠投を必要としない場面でのキス釣りに使用できます。しなやかな穂先で食い込みが抜群によく、繊細なアタリでもしっかりと針がかりできる性能が備わっています。キス釣り以外にも様々な餌釣りに使用できるので、便利な一本となってくれます。
リール
シマノ ネクサーブ C3000HG
ネクサーブは5000円前後で購入できるコスパ最強のおすすめスピニングリールです。堤防からの投げ釣りには3000番の糸巻き量があり、ギア比がハイギアのC3000HGが最適な一台となります。PEラインの扱いが心配な人はナイロンラインを使用するといいですが、C3000HGであればナイロンライン3号を150mも巻けます。投げ釣りにはもちろん、サビキ釣りやルアーを使用したシーバス釣りにも使用できる性能を有している便利さも魅力的です。
ダイワ ワールドスピン CF 3000
ワールドスピン CF 3000はダイワが販売するコスパに優れたスピニングリールです。これからキス釣りを始めたい人には最適でおすすめの商品となっています。5000円以下で購入できますが、キス釣りに使用できる性能が備わっていて安心して使用できます。若干重さはあるものの、巻き心地はスムーズで違和感を持ちにくいです。キス釣りはもちろんですが、エギングやシーバス、ショアジギングなど様々な釣りに使用できる汎用性の高さも備わっています。
7.キス釣りに有効な釣り方
ズル引き
ズル引きはキス釣りにおいて最も基本の釣り方となります。ズル引きはまず仕掛けを底につけて、底から仕掛けが離れないようにゆっくりと引いてくる誘い方です。底から仕掛けが離れるとシロギスからの反応がなくなる可能性が高いので注意しましょう。また仕掛けを動かす速度が速すぎるとシロギスが餌について来られなくなり、針がかりしにくくなります。ゆったりとした速度で仕掛けを動かすことが釣果を出すコツです。またズル引きをする時は根がかりの心配が少ない砂地がメインのフィールドで行いましょう。多少根があるポイントでは大型のキスが釣れることがありますが、根がかりが起こる可能性も高くなります。
シェイク
竿を細かく動かして仕掛けを振るわせるように操作する方法をシェイクと呼びます。ズル引きにシロギスの反応がない時にはシェイクをしてシロギスからの反応を探ります。シェイクは竿の扱いに慣れていないと難しい操作となりますが、とにかく細かく竿を動かして仕掛けが大きく動き過ぎないように操作してみましょう。シェイクをする時は喰わせの間を作るために、竿を3秒ほどシェイクしたら竿をピタッと止めてアタリを待つことが必要です。またシェイクをすると仕掛けを動かしてシロギスを誘えるだけでなく、オモリが底を叩き砂煙を出して餌があるとシロギスに知らせる効果もあります。
放置
放置は低活性なシロギスを狙う時に有効な方法です。仕掛けを投げて底を取り、仕掛けを動かさずに放置します。放置する時間の長さはシロギスの反応に合わせて短くしたり、長くしたりしますが、おおよその目安は20秒前後です。20 秒ほど放置したら少し仕掛けを動かしてまた放置する動作を繰り返し行います。放置は仕掛けの動きが非常に遅い誘い方となるので、餌を積極的に捕食しない低活性なシロギスでも仕掛けの餌を食ってくるようになります。船釣りでも有効な方法ですが、底につけたままずっと放置していると周りの人と仕掛けがおまつりするため、放置する時間は長くても30秒までにとどめましょう。
<参考>筆者の釣り経験
【釣りの経験年数】
19年
【経験のある釣りジャンルと経験年数】
メバリング19年
シーバス10年
アジング8年
チニング3年
ハタゲーム3年
キス釣り10年
ライトアジ5年
一つテンヤマダイ5年
【経験の多い釣り場、地域】
西伊豆、真鶴半島、三浦半島の地磯
三浦半島及び房総半島の貸しボート