カレイは初心者でも大物を狙える釣りです。 情報収集をして、釣れる時期と場所を見極めるのが釣果への近道です。この記事では、初心者向けにカレイの狙える時期と、釣り方を紹介します。
【目次】
1 堤防からの投げ釣りで狙う時期とカレイの種類
堤防からの投げ釣りでカレイを狙える時期は「真夏以外と真冬以外」です。
筆者の住んでいる北海道では、3月~7月と10月~1月くらいがカレイを狙える時期です。
3月~7月であれば、雪が融けてなくなる頃から、餌取りのフグなどが多くなる頃までです。
産卵直後の3月は、カレイの身が水っぽいことも多いですが、食い気があります。
時期が進むにつれて栄養を蓄え、人間が食べても美味しい身になっていきます。
一方、10月~1月であれば、餌取りのフグなどがいなくなってから、真冬日が続き始める頃までです。
真冬の産卵前には魚卵を蓄えた個体が釣れるため、煮つけなどで食を楽しむことができます。
地域の釣り人のブログを見たり、釣具屋や釣り新聞で情報収集をするなどして、釣れ始めるタイミングを図っています。
次に、狙えるカレイの種類を紹介します。
イシガレイ(5月~7月、10月~1月)
体の表側に石のように硬い部分がある。イソメ、サンマの切り身などで釣れる。外海で釣れることが多い印象。時期や釣り場によっては手の平サイズ以下の小物がたくさん釣れる。刺身が美味。
マガレイ(3月~7月、11月~12月)
深めの場所にいる。尻尾の付け根当たりがうっすら黄色い。イソメで釣れることが多い。水深のある外海で釣れることが多い。稀にサンマの切り身でも釣れる。刺身、煮つけ、唐揚げなど何をしても美味。
スナガレイ(年中)
裏側のヒレの付け根当たりが濃い黄色。唐揚げが美味。
マコガレイ(3月~7月、11月~1月)
口が小さく、どちらかというと細長い。イソメで釣れることが多い。港内の奥まで入ってくることがある。夜釣りでも釣れる。刺身、煮つけ、唐揚げなど何をしても美味。
クロガシラ(3月~6月、10月~1月)
マコガレイと似ているが、ヒレにうっすらと黒い線が入っている。イソメでもサンマの切り身でも釣れる。マコガレイと同じく、港内の奥まで入ってくることがある。夜釣りでも釣れる。食感は、マコガレイと味は似ているが、クロガシラの方がやや筋肉質。
ババガレイ(3月~7月、11月~12月)
細長く、表面のヌメリがすごい。釣れると40センチ以上の大物であることが多い。イソメで釣れる。引きがとても強く、釣りあげてからもよく暴れる。煮つけはカレイ類の中で最高に美味。
マツカワ(6月~7月、10月~12月)
幻のカレイといわれる。表側がマツの木の皮のようにザラザラした見た目。オレンジ色の固体もいる。ヒレの裏側に黒い線が入っている。イソメでもサンマの切り身でも釣れる。外海でも港内でも釣れることがあり、それほど遠投しなくても釣れる。釣れることは少ない。刺身はカレイ類の中で最高に美味。ヒラメに匹敵する。
2 タックル・仕掛け・餌
それではカレイを釣るためのロッド、リール、ライン、仕掛け、餌を紹介します。
ロッド
ロッドは狙いたい飛距離によって選びます。
重いおもりを使えるものほど、また、長いものほど飛距離が伸びると考えて良いです。
ですが、あまり長すぎると上手くロッドを振り切れないので、3.6m~4.2mくらいの間で選ぶのが良いと思います。
ちなみに、身長172cmの筆者は4.2mのロッドをギリギリ振り切れるかどうかという具合です。
15号のおもりを使うようなロッド(SHIMANOの表記では「HX」あたり)であれば60m程度、25号のおもりを使うようなロッド(SHIMANOの表記では「EX」や「DX」あたり)であれば120m程度の飛距離が出せます。
ロッドの柔らかさも重要です。先が柔らかいものほど、魚がアタったときに違和感を与えにくいため食い込みが良いです。逆に、硬いものだとアタっても掛からないということが多くなります。
ロッドは振出と並継がありますが、初心者であれば振出で十分です。
カレイの投げ釣りは遠中近、左右と投げ分けてカレイのいる場所を探ります。
ですので、最低でも2本はロッドを用意してください。
おすすめのロッドを少しだけ紹介します
「SHIMANO ホリデースピン 385EX」
価格も抑えられていて、最初の1本としておすすめです。
複数のロッドを用意するので、費用を抑えることができます。
「SHIMANO 20サーフリーダー 385DX」
少々値は張りますが、重いおもりを使えるのに、穂先は柔らかく食い込みが良いです、
ねじれなどにも強く、正確な遠投が可能です。
リール
リールは投げ釣り用で遠投の可能なものが良いでしょう。
PEラインの1号を200m、またはナイロンラインの3号を200m巻けるものが良いです。
同じラインキャパシティでも、スプールが大きいものを選んでください。
スプールが大きいほど飛距離が伸びます。
ドラグの有無ですが、動画などを見るとドラグを緩めてアタリを待ったりしていますが、筆者はドラグなしのモデルを使って、50cm以上のカレイも釣りあげていますので、無くても構わないです。
そしてメンテナンスの面から考えて、水洗いできるものが良いです。
釣行後に水洗いすることで、長くリールを使うことができます。
おすすめのリールを紹介します。
「SHIMANO スーパーエアロ スピンジョイ35 細糸仕様」
竿を置いてカレイを狙うならこちらのリールで十分です。
巻き心地も良く、また、水洗いもできるので長持ちするでしょう。
ドラグ付きの「パワーエアロ スピンジョイ」も発売されています。
ライン・仕掛け
ラインはPEラインの1号を200mに力糸3~8号15m、またはナイロンラインの3号200mに力糸3~8号15mを使います。
PEラインの方が飛距離が伸び、アタリもわかりやすいですが、風が吹くと流されやすく使いにくいです。
一歩ナイロンラインはPEラインよりも飛距離が落ちますが、伸びるので魚に違和感を与えにくく、食い込みが良いです。
PEラインまたはナイロンラインと力糸の結束は電車結びで良いです。
仕掛けですが、カレイは砂地にいることが多く、根掛かりの少ない釣り場では遊動仕掛けを使用します。
市販のものであれば、針のサイズが14号のものを選ぶと良いでしょう。
様々な装飾がありますが、おすすめはエッグボールです。
エッグボールが付いているだけで、アタリの数が違います。
ちなみに筆者は自作していて、以下の画像のような仕掛けを使っています。
釣行の際には、根掛でロストすることも考えて竿3本分で10セットは仕掛けを持って行きます。
三脚
竿を置く三脚も必要です。
カレイ釣りは基本的に竿を置いて待つので、三脚を用意してください。
タモ
タモは必ず持参してください。
何度も釣りに行っていると、不意に大物がかかって竿だけでは上げられないことが絶対に1回は発生します。
タモ枠は直径45cmくらい、柄の長さは5mくらいのものがおすすめです。
餌(塩イソメ)
餌ですが、基本的には塩イソメを使用します。
イソメは必須の餌です。
半日の釣行で2000円分くらいを用意します。
生のイソメはキャストの時に切れやすいので、釣行前に生のイソメを買ってきて、塩をまぶして水分を抜きます。
普通の食塩でも良いのですが、えび粉入りの塩や、イカゴロ粉入りの塩などを使用すると釣果が上がります。
新聞紙の上にイソメと同じくらいの量の塩を用意して、イソメを投入し、全体に塩がいきわたるように混ぜます。
そのまま新聞紙でくるんで、30分くらいすると出来上がりです。
釣行後に残った生イソメにこの処理をすることで、冷凍保存もできるようになります。
イソメ以外の餌は塩サンマです。
主にイシガレイやマツカワを狙う時に使用します。
サンマを5cmくらいの短冊状に切って塩イソメを作る際と同じ処理をします。
3 狙う時間帯・狙いたいポイント
狙う時間帯については、朝夕マヅメと潮どまりの前後です。
朝マヅメは日出の1時間前後、夕マヅメは日没の1時間前後くらいです。
この時間帯は魚の活性が上がりやすく、アタリが出やすいです。
寒い時期は日出以降、太陽の位置が高くなり気温が上がってから釣れることも多いです。
明るい時間帯の方がカレイは釣れるので、朝マヅメから昼までの釣行などをおすすめします。
マコガレイ、クロガシラについては港内の夜釣りでも釣れます。
筆者の地域(北海道)では、「夜マコ」といって夜に狙う人もいます。
潮どまりとは、ちょうど満潮になる瞬間、ちょうど干潮になる瞬間です。
潮どまりの時間はアタリが少なくなりますが、その前後1時間くらいはアタリが増えます。
カレイには時合があります。
時合とは魚の活性が上がり、食い気が経つ時間帯の事です。
上記で触れたタイミングで釣れなくても諦めないでください。
良い時間帯なのに全く釣れず、変な時間帯に急にバタバタと釣れ続けることがよくあります。
時合のタイミングを見計らって、竿をサビいて誘いをいれたり、どんどん投げなおして積極的な釣りをしてください。
漁港や堤防で狙うポイントは、船道、潮通しの良い場所、根の際です。
これらが複数絡んでいるところはさらに釣果が期待できます。
船道ですが、船の通り道のことです。
船道は周りより深くなっていたり地形の変化があるため、魚が付きやすいです。
船道を狙う際は、道糸が船に引っかからないように遠くまで投げすぎないなど、漁業関係者の邪魔にならないように気を付けてください。
遠投の必要もなく、比較的取り込みも簡単なため、初心者にはお勧めです。
潮通しの良い場所は見分けが付けにくいのですが、主に堤防の先端や曲がり角の外側です。
港内の奥の方みたいに水が淀んでいない場所という考えで良いです。
根の際ですが、広い砂地の中にところどころ根がある「バラ根」と呼ばれる場所は大物がよく釣れます。
竿をサビいてきて、少し引っ掛かりを感じたらそこで仕掛けを止めておきます。
根の際を狙う際は根掛りが多くなるので、仕掛けも多めに持って行きましょう。
テトラの向こう側、外海も比較的よく釣れますが、テトラに上るのは危険が伴います。
テトラから落ちて命を落としてしまう事故は、毎年のように起きています。
丸い形のテトラには乗らない、濡れているときは乗らないなど、十分に安全に配慮してください。
釣り場選びの際にはGoogle Mapの航空写真を利用して、事前にテトラの形を把握しておいたりしても良いです。
竿を2~3本出して、遠中近、左右と投げ分けて、その日にカレイの集まっている場所を探します。
カレイが釣れたらその場所を集中して狙いましょう。
4 投げ釣り以外の釣り方(ルアーや、ブラーでの釣り方)
これまで投げ釣りでのカレイ釣りに触れましたが、ルアーロッド1本持っていれば釣れることもあります。
ブラーと呼ばれる仕掛けにイソメをつけて狙います。
2mくらいのロッドに、2500番のリール、3号のナイロンラインを用意します。
ブラーは5~10gくらいを使うので、ロッドの硬さもそれに合わせてください。
ブラーにイソメをセットして港内や船道にキャストし、少しずつサビいてきます。
港内に入りやすいクロガシラなどが釣れます。
ルアーですが、あまりマイナーではありません。
もしルアーでやるのであれば、ガルプなど匂いの強いワームを使用するのが良いと思います。
5 最後に
カレイは初心者でも大物を狙える釣りです。
情報収集をして、釣れる時期と場所を見極めるのが釣果への近道です。
釣り新聞や、近くの釣り具屋さんで積極的に情報を集めましょう。
釣行の際には、堤防や漁港の漁業関係者に迷惑をかけないように注意してください。
コロナの影響でアウトドア需要が高まり釣り人も増えています。
最近では釣りの動画を配信したり、SNSで画像をアップする人もよく見かけます。
釣れた動画や画像を見ると、その場所に釣り人が殺到します。
残念ながら、その人たちの中にはマナーの悪い人もいます。
マナーを守らない釣り人が多いために、釣りを禁止する場所も増えてきています。
大切な釣り場がこれ以上なくならないように、場所を特定できる情報を拡散しない、漁業関係者に迷惑をかけないなど、気を付けて楽しんでください。
そして最後に、毎年のように釣り人が落水して亡くなる悲しい事故が発生しています。
魚を釣り上げるよりも大切なのは自分の命です。
必ずライフジャケットを着用してください。
安全第一で、釣りライフを楽しんでいきましょう。
<筆者プロフィール>
北海道の道南(函館)で海釣りを趣味にしております。
【釣りの経験年数】
20年以上
【経験のある釣りジャンルと経験年数】
○投げ釣り(20年以上)
春のカレイ(イシガレイ、マガレイ、マコガレイ、ババガレイ)
秋のカレイ(イシガレイ、マガレイ、マコガレイ、ババガレイ)
冬のカジカ
を狙っております。
仕掛けは自分で作ります。
餌も工夫して、釣果を伸ばしております。
イシガレイ40UP、マガレイ40UP、マコガレイ40UP、ババガレイ50UP、マツカワ50UPの実績があります。
○ロックフィッシング(15年以上)
通年楽しんでおります。
秋から冬にかけて函館沖堤防でソイ、アイナメを狙うことが多いです。
ワームはもちろんですが、状況に合わせて餌も使います。
ソイの40UP、アイナメの50UPを釣った実績があります。
○ショアジギング(2年程度)
6月後半~8月後半にかけて函館湾を中心に青物(イナダ)を狙います。
メタルジグ、ミノーを多く使っています。
最大で60cm後半ですが、1日に7匹ほど釣った経験もあります。
【経験の多い釣り場、地域】
北海道道南
【所有タックル(現在所有しているロッドやリール、魚探等)】
○投げ釣り(ロッド&リール)
SHIMANO サーフリーダー 425DX & SHIMANO スピンジョイ35
SHIMANO サーフリーダー 385EX & SHIMANO スピンジョイ30
SHIMANO スピンジョイ 360FX & SHIMANO エアノス4000
DAIWA リバティクラブ 390 25号 & DAIWA ファインサーフ35
○ロックフィッシング(ロッド&リール)
アブガルシア ソルティステージロックフィッシュ KR-X 692ML & SHIMANO アルテグラ2500
○ショアジギング(ロッド&リール)
メジャークラフト トリプルクロス ライトショアジギング 1002 & SHIMANO ツインパワー C5000XG